地球に乾杯「追跡・幻のろっ骨レコード・ロシア・冷戦下の青春」
2001.4.11放送(NHK)



◆西側のジャズやロックンロールが禁止されていた旧ソ連で、1950年代にひそかに作られたのが「ろっ骨レコード」である。官製のレコードに満足できない若者たちは危険を冒してこのろっ骨レコードを求めたという。このレコードにはどんな音が刻まれていたのか。サックス奏者の坂田明がろっ骨レコードのなぞに迫る(『ステラ』解説より)

 もしかしたら殆どの人は坂田明がミュージシャンだという事を忘れていないだろうか。別に“ミジンコの人”というわけではないのだ(ちなみにそのイメージを植え付けた責任の一旦はNHKが担っていると思うが)とはいえ、自分も正直この人の音楽はよく分からなかったりする。バリバリのフリースタイルジャズを演奏する一方で、NHKの子供番組用の曲なども作る。以前自らのボーカルによる「ハローおさるさん」を聞かされた時は流石に倒れそうになったが…。何気にNHKに対する貢献度の高い人だ。

 話を戻そう。この番組は“ミュージシャン坂田明が肋骨レコードの謎に迫る”ドキュメンタリーである。何故「肋骨レコード」と呼ばれてるかというと、材料がなかったため、使用済みのレントゲンフィルムなどを再利用して作られたレコードだから。昔あった所謂ソノシート程の薄さなのだが、レコード盤の形に丸くカットされているのに撮影された骨の写真はそのまま映っていて、何だかシュールだ。
 坂田氏は今もレコードを持ってる人を探し出す。実際に見せて貰いながら「肋骨だ!」とか「頭蓋骨だ!」とか一々大げさなリアクションをして見せる様子が実にラブリーだった。
 やがてそのレコードが現在の新しい機械では再生不可能と知り、のみの市で古いプレーヤーを入手してレコードを再生させるのだが、苦心の末、遂に『ベサ・メ・ムーチョ』が流れて来た時はこちらまでドキドキ。まるで大切にしまっていたタイムカプセルを何十年かぶりに開いたような、そんな感動に包まれた。坂田氏も「僕らと同じもの聴いてたんだ」と感激していた。
 それにしても、パンを買うにも困る時代に苦労してまでレコードを買う気持ち…それだけ彼らは良い音楽に飢えていたんだろう。音楽を聴くことで心を満たしたかったのだ。聴きたいとき聴きたい音楽が聴ける世の中がどんなに幸せか、再認識させられた思いである。


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